「文春砲」にテレビが負けてしまうのはなぜなのか。気になったことはありませんか?
そこには、テレビと週刊誌の構造的な違いがあります。X子さんの報道も、週刊誌だからこそできたことでした。テレビの中から見た、そのワケを解説します。
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理由1:ゴシップの考え方がまったく違う
不倫は「犯罪」ではない
不倫は読んで字のごとく「倫理にあらず」ということで、犯罪ではありません。民事裁判で賠償を負うことはあっても、犯罪ではないのです。なので、一般的にニュースになることはありません。
「東京都の会社員が不倫をしました」というニュースを見たことはないと思います。事件でもなんでもないので報じませんし、報じる権利すらありません。報じればただの人権侵害です。これが不倫、いわゆるゴシップの扱いです。
公人なら報じる、芸能人は「グレーゾーン」
しかし、これが公人になると話が変わります。倫理性や説明責任に関わる問題となり、ニュースになります。政治家が不倫で失脚するのはよくあることですし、総理が不倫で退陣に追い込まれた例もあります。
そして、その間にいるのが「半公人」である芸能人です。ここの扱いが極めてグレーゾーンになります。
- 週刊誌:ここを積極的に報じる。むしろここが主戦場といっても過言ではない
- テレビ:芸能人の不倫は報じるものではない、と考えている人が大多数
理由2:芸能人はテレビ局の「取引先」でもある
テレビの人が芸能人のゴシップを報じない理由の大部分は「公人ではないから」です。ただ、テレビ局にとって芸能人は一緒に仕事をする取引先でもある、という関係性も多少は関係しています。
それでも、世の中の関心があまりに高くなれば、報じざるを得ないとして報じます。だから、テレビの報道はすべて週刊誌の後追いになるのです。
理由3:テレビには長期取材をする体力がない

はっきり言ってしまえば、今のテレビ局には体力がありません。そのため、取材に時間がかかるものはあまりやりません。やるとすれば、犯罪や汚職といった公益性の高いものだけです。
たとえば社会部が「ある芸能人が覚醒剤で警察にマークされている」という情報を入手すれば、長期取材をすることもあります。ただ、テレビ報道は毎日報じるニュースの量ですでにキャパオーバーで、長期取材に人を割く余裕がもうありません。
一方、週刊誌はフリーの記者やタレコミといった情報から取材に入り、それがスクープ、いわゆる「文春砲」につながります。だから、そこに多くのリソースを注ぎ込むのです。
テレビからスクープはもう出ないのか?
現場の記者には、やる気に満ちている人もいます。ただ、テレビ局の体力が減り、その場しのぎの自転車操業になっている面が多いので、正直難しいのかな、というのが私の感想です。
一方で、SNSでフェイクニュースが当たり前になってきた今、新聞やテレビといった「オールドメディア」への回帰は、いずれ起きると思っています。だからこそ、信頼を取り戻すためにも、テレビは取材にリソースを割くべきだと思います。果たしてどうなるのでしょうか。
まとめ
- 不倫は犯罪ではないので、一般人ならニュースにならない。公人ならなる
- 芸能人は「半公人」のグレーゾーン。週刊誌の主戦場だが、テレビは基本的に報じない
- 芸能人がテレビ局の取引先でもあるという関係性も、多少は影響している
- テレビには長期取材の体力がなく、報じるときは週刊誌の後追いになる
