テレビの不思議 街頭インタビューが多い理由

テレビの不思議 街頭インタビューが多い理由

よく街頭インタビューってありますよね。
街録と呼ばれるんですが、なぜテレビ局はこぞって街録をするのか。
その苦労とともに秘密を解き明かします。

実は取材の基本

マイク

街録って取材の基本のキです。
取材にあたってのエッセンスが詰まっているんですね。
だから基礎練習の意味も含め行っているところがあります。

アポ取り

まず取材を申し込むにはアポをとらないといけません。
取材というのは善意で成り立っています。
謝礼が出ません。
出演料が発生するのはタレントや文化人です。
テレビに出ることを生業としている方ですね。

一般的な取材というのはテレビに出ることを生業としている人ではないのでギャランティーが発生しません。
それにもう一つ大事なのがギャランティーが発生すると本人の意思よりもお金もらえるからということで発言にバイアスがかかります。
ですので善意でご出演願っています。
お金だしていいのなら出したいくらいです、理由は大変だから。

善意ですので、とにもかくにも断られれます。とても断られます。みなさんお忙しいですし、本当に善意でご出演願うので、何を好きこのんで時間を取られなきゃならんんのだというわけです。

この断られ方が尋常でなく、時に罵声を浴びせられます。

だいたい10人から30人に声をかけさせて頂いて1人答えてくれるくらいの確率です。

なので、街頭100人インタビューとかなると、1000人から3000人に声をかけるというハードなお仕事になるのです。

ですが、これが鍛錬になります。

入社したてのADさんなんかだと、学生時代の友人や教師など、必要最低限の人としか接していません。それがいきなり見知らぬ人に声をかけます。そして、冷遇されます。

気が弱い人なら心が折れます。

アポ取りの大切さをここで学びます。

心が折れる

インタビュー

インタビューの仕方も街録で学びます。
いきなり政治家やタレントさんにインタビューするなんてことは危ないので、まずここで訓練です。

どんな質問がしたらどんな答えが帰ってくるか。
どんなテンションで質問を投げるか。
もっと深い答えをもらうにはどうするか。
ツッコミを入れるタイミングはどこかなどなどです。

まず時事問題を扱うなら、その知識をもっていないといけないのですが、準備など問題点が見えてきます。

撮影

画角も大事です。繋がりを意識した撮影なども必須になります。

街録をしていて、この人使うなとおもったら次の人は目線を変える。マイクの先に道路があると、車のノイズを拾ってしまうとか、細かい撮影のポイントを抑えることも重要です。

街の人は面白い

ちょっと専門的な話になってしましたが、街録がよくされる理由は単純に面白いからです。新橋の酔っぱらいや巣鴨の高齢者はいいコメントをくれます。

下手な芸人よりも面白いんですよ。識者といった方もいればおちゃらけた人もいるし、怒っている人もいる。時間をかければかけるほど面白いコメントがとれます。

よく月曜の深夜にやっている「・・・を調べてみた件」とかで街録をしている番組はすごいと思います。すごい時間をかけていますし、そこまで街の人をいじるのかと感心します。

予算削減

これ多いと思います。番組制作の予算削減はとどまるところを知りません。上がる気配なんてありません。今後も下がり続けると思います。そうなると低予算で面白い番組となると街の人に頼ることになろうかと思います。
現場にいると不思議なんですけどね、TVの広告出稿はここ何年か横ばいなのに予算が下がってますから。その分、街録は時間と人手がかかるので制作側はハードです。

まとめ

もはや街の人は重要な出演者です。よく同じ人が複数の番組に出て「仕込みだ」なんてこと言われますが、仕込みはありません。出たがりな人がいて、「この人には気をつけて」なんてお触れがでていることがあります。みなさん、TV局の人に声かけられることもありますが、以上のことを心の片隅にでも思っていただくと幸いです。

テレビの不思議カテゴリの最新記事