なぜテロップを間違えるの?

なぜテロップを間違えるの?

少し前に「天才」を「アホ」と書き間違える信じられないミスがありました。
テロップってよく見ると間違えています。
特にニュースが間違えています。
間違えてはいけないものほど間違えるのは何故なのかを解説します。

 

天才とアホはなぜ間違えた?

テレビ

そもそもテロップとはどう入れているのか、から解説しないといけません。
まずVTRの責任者はディレクター、ニュースなら記者も責任者です。
映像をつないでVTRにするのはディレクターか編集マンが行います。
ただテロップというのはディレクターや記者は作りません。
原案はもちろん考えますが、他の人に作ってもらいます。
そこからの作業は報道・情報とその他の番組で変わります。

 

報道は専門の人がテロップを作成する

報道の編集は時間との戦いです。
Youtuberもびっくりすると思います
。神業とも思えるスピードで編集しています。
そこでテロップの原案を記者やディレクターが考えて、テロップを打つ専門の人が作成します。
テロップ自体は専門のソフトウェアで作成します。
各々のニュースでデザインのフォーマットがあって、そこに文字を打ち込んでいきます。
ディレクターなどはテロップを発注することになるのですが、それがオンラインの場合と手書きの場合があります。オンラインであればワープロ的に文字を入力します。
ワープロの場合は変換間違いが生まれます「定職につかず」を「定食につかず」とかですね。
もう1つは手書きです。10年も前になればどのテレビ局も手書きで発注していました。
今でも急ぎの場合は手書きで発注するケースがあります。
意外とアナログなんです。
手書きの場合に起きるミスは“文字の汚さ”です。
そもそも急いでいますからめちゃくちゃ字が汚いです。
おそらく今回のミスは手書きだと考えられます。
ワープロであれば「天才」はどう間違えても「天災」です。
ただどうでしょう「天才」と「アホ」字がめちゃくちゃ汚いと間違えて読んでしまうと思います。
おそらくこれで間違いないでしょう。

 

チェック体制はどうなっている?

文字

もちろん、チェック体制は組まれています。
報道系であれば作成されたテロップは校閲とよばれる専門の人がチェックしているはずです。
ただ、この人たちは文字や文章の使われ方、地名や人名をチェックします。
「こんな天才いない」「こんなアホはいない」どちらも文章としては間違えていません。
ニュースを知っていれば間違えようがないのですが、
知りません、校閲の専門家ですから。
どんなニュースをやるのかはニュースを見なければいけないのですが、そのニュースをしているので、どんなニュースか把握するのかは難しいのです。

でも放送する前に気づくでしょ?

これ、気づきません。生でテロップをつけています。
生です。
どういうことかというと、ニュースの場合、編集しているのはテロップも何も入っていない「シロ」と呼ばれる状態でそのまま放送します。
そこで放送しながら生でテロップを呼び出して合成しながら送出しているのです。
よーくニュースを見てください。
テロップのタイミングがずれたり、出てなかったりしませんか?
あれは生だからそんなことが起きるのです。

 

 

最後の砦はディレクター(記者)本人

テロップを呼び出して合成しているのはディレクターです。
そこで間違えていないかを放送直前にチェックするのですが、とんでもなく時間がないので、チェックできずに放送していることがあります。ダメなことなんですが、それくらい時間に追われています。
ただ次に出るテロップは「ネクスト」という画面に表示されていますので、そこでチェックすることは可能です。
あ、次間違えてると気づけばいいのですが、新人さんならまず間違えてだします。

 

間違えてはいけない報道だから間違える

時間がないのが問題です。
事件事故はいつ起こるかわかりません。
時間に余裕があるときなら間違えませんが、ないと間違えていしまいます。
でも時間がないものほど最新のニュースなので、なるべく視聴者に伝えたい、でも間違えちゃダメ。
そんなジレンマがあるから間違えます。
でも時間がないなからといって間違えてはダメです。

 

まとめ

よく陰謀だとかわざとだとかこれ見よがしに言う人はいますが、そんなことはありません。
ただの単純ミスです。
本当に深い意味はなく、稀に運悪く致命的なミスを犯しますが元は単純なミスだということです。

 

 

 

 

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