テレビと新聞は全く違う

テレビと新聞は全く違う

テレビ報道と新聞報道。よくマスゴミと一括りにされるますが実は大きく違います。ニュースを扱うので一緒だと思われることが多いのですが違いをわかっていないと思わぬ勘違いをしてしまうので、両者の違いを解説したいと思います。

テレビ報道とは

TV

 

政治・経済・事件・事故と多岐に扱うテレビ報道ですが、そもそもなぜテレビがニュースをしているのかというと放送法に定められているからです。

 

放送法第百六条 基幹放送事業者は、テレビジョン放送による国内基幹放送及び内外基幹放送(内外放送である基幹放送をいう。)(以下「国内基幹放送等」という。)の放送番組の編集に当たつては、特別な事業計画によるものを除くほか、教養番組又は教育番組並びに報道番組及び娯楽番組を設け、放送番組の相互の間の調和を保つようにしなければならない

 

テレビは限られた資源である電波を使って放送しています。
そのために免許制です。
平たくいうとバラエティだけやるんならテレビの免許をあげないよということです。
まだあります。これがかなり重要です。

 

第一条
二 放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによつて、放送による表現の自由を確保すること。

第四条
二 
政治的に公平であること。

不偏不党で政治的に公平であること。これがテレビに課せられた使命です。これから逃れることはできません。これがあるから選挙前になると、公平な尺で放送したりします。

 

偏向報道ってあるの?

よく言われます。テレビはリベラル寄りだとか、左翼だとか、すぐに政権を批判するとか。
これはですね、半分正解で半分間違いです。
不偏不党なのです。
政治的に公平なんです。
野党の批判をしないじゃないかと言われますが、それは野党だからです。
ぶっちゃけるとどうでもいいのです。
メディアの大切な役割は権力のチェックです。
だから厳しめの意見なのです。
ただ政権できたての100日くらいはハネムーンと言われて比較的甘めになります。

批判的なのは戦争の反省

ストップ

とにかく戦争をもうしないと誓っているのがマスコミです。
なぜかというと、第2次世界大戦というのは様々な要因で起きましたが最も重要な要因は国民が戦争を望んだことにあります。
今からだと考えらえれないかもしれませんが、国民が戦争を熱望し、政府は戦争に踏み切った側面があります。
その国民が戦争を望んだ原因は新聞にあります。
「鬼畜米英を打ち倒せ」
「中国を植民地に」
などという勇ましい言葉に国民は熱狂しました。
強い日本って気持ちいいですからね。

かなり個人的な見解になりますが、戦前のどの内閣も戦争はしたくなかったと思っています。あの東条内閣も陸軍の暴走を止めるためだったと思います。しかし、世論の暴走、アメリカの圧力に耐えきれずやむなく戦争を起こした面があります。

そして、戦中は大本営発表にしたがい、劣勢なのに勝っているかのような記事を書きました。そのころには検閲が激しく正しいことは書けなくなっていました。

そして、敗戦を迎えます。
マスコミは責任を痛感しました。
そして不戦、とにかく戦争をしないような記事を書くようになりました。

その頃はテレビ自体がなく、テレビ報道はなかったのですが、マスコミの責任ということを自覚し戦争だけは回避しようという姿勢で臨んでいます。

報道は第4の権力

よく言われる言葉ですが、報道自体に権力があるわけではございません。
なんとか新聞とかは自分たちが権力だと思っているところもありますが・・・
報道というのはただの情報源で見て有権者が判断するための材料です。
世論を動かす権力を持っているわけではありません。
そこを報道に携わるものとして必ず持っておかなければならない軸です。

そこで、政権万歳という報道は報道ではないということなります。
内閣や省庁といった行政組織は巨大な権力を持っています。
それこそ、国民の生殺与奪を握っているといって過言ではありません。
その暴走を防ぐのは選挙です。
日本は民主主義国家ですから選挙で政権をひっくり返せます。

しかし、正しい情報がなければいけません。
そのための報道機関です。
なので、「自民党はよくやっているね」目線ではなく
何か間違いがないか「監視しています」という役割を担わなければなりません。

それを守るために放送法でも「表現の自由」が保障されています。
政権が表現の自由を認めているのは自分たちは暴走する恐れがあることを自覚しているからです。
先の戦争は多くのもを失いましたが、多くのものを得てもいるんですね。

 

新聞は不偏不党ではない

新聞

テレビは60年ほどの歴史しかない、比較的新しいメディアですが、新聞は明治からある古いメディアです、なんなら江戸時代の瓦版も新聞といえるかもしれません。
古いメディアなんです。
そして、テレビの放送法のように新聞を縛る法律というものはありません。

成り立ちから考えると新聞というのはニュースを報じますが、一方では言論の場でもあります。
なので新聞社は政治的主張を持っているというのがテレビとの大きな違いです。
朝日新聞であれば左寄り、産経であれば右寄りのポジションを取っています。
しかし、新聞だからそれでいいんです。
新聞は公共物ではなく、ただの出版物です。
何書いてもいいんです。

読みたい人が読むだけですから。
赤旗はそのまま共産党ですし、聖教新聞は公明党です。
支持者以外は読まないですよね。

 

主張を押し付ける新聞と、ありのままを伝えるテレビ

成り立ちも法律も違うので、両者は別ものなのですが、一緒くたにマスコミと評されます。
正直にいうと、テレビと新聞は仲はよくないです。
新聞社からすればテレビは表面的な報道だし、テレビからすれば新聞は主張が極端だし、眉唾なことも記事にしていると思っています。
これに週刊誌やワイドショーも入ってくるとカオスです。
ただ見ている人は同じに捉えているのでマスコミがマスゴミになります。
それぞれ違うと思っていてください。
それもメディアリテラシーだと思います。

 

それでもテレビは偏向報道ではないか?

このご指摘は真摯に受け止めるべきだと思います。
「どうせマスゴミはこのニュースを扱わない」とかよく言われます。

その通りです。

ただ理由が違います。
まず報道するにあたっては真実かどうか、が大切です。
そして、もう1つ、見ていただけるか、です。視聴率ですね。

残念ながら商売の一面があるので、視聴率が取れそうにないものは大きく報じません。
政治的なものや陰謀論とかでなく、単純に興味ないだろうと思われて扱われていないだけです。
ただニュースを隅々まで見ると掲示板などで「扱わない」と言われるニュースも扱っています。
ただ尺が短いのでお気づきになっていないものもあるのではないかと思います。

 

これだけは言いたい 「陰謀」なんてない

陰謀

よくマスコミの陰謀論を聞きます。
半島の人間が牛耳っているとか、政府が裏で手をまわしたとか。
んなことは全くありません。
もう知った顔でそんなことを語っている人は本当に部外者です。
政権からけっこうクレームが入って困ってるくらいです。
でも視聴者のクレームはすぐ受け入れたりしますが、政権のクレームは聞かないのがマスコミです。

 

 

 

 

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