言われてみればのテレビの不思議。今回はタレントにモザイクが入っている時があると思うのですが、その理由をお伝えしましす。
なぜタレントにモザイクが入るの?
犯罪者でもないのにタレントさんにモザイクが入っている時ってありますよね。
なぜそんなことが起きるのか?
疑問ですよね。
いろんな理由があるので順次上げていきますね。
音事協
日本音楽事業者協会という大手の芸能事務所が加盟する協会があるのですが、この存在が大きいです。
テレビ製作者として音事協と関わる時は大抵過去に放送した映像を使用する時です。
そもそもタレントさんへ出演依頼するときは、その番組1回だけに出演するというものです。再放送など、するかしないかわからないようなものも合わせて交渉しません。
そんな中で、番組の総集編や他のタレントさんの話ででてきたから、過去の放送分を使用したいとします。
そこで音事協がでてきます。
音事協に加盟している事務所のタレントの過去の映像の場合、使用許諾を音事協に申請します。
それでOKをいただけたものだけ使用する事ができます。
なぜ音事協にお伺いをたてるのか
諸説あるようですが、私が聞いた話では、かつては昔の映像も使い放題だったようなのですが、そうすると安上がりなので過去の放送ばかりしてしまいます。
となるとテレビが放送する番組の総量というものは変わらないですから、タレントさんの新しい仕事が減ります。
それは困る、過去の映像の使用に関しては制限しよう。
ということだと聞いています。
この業界ではもはや何十年も前からある慣習なので詳しくはわかりませんが、聞いた中では信憑性があるのかなと思っています。
申請はお早めに
この音事協の申請はすぐにはでません。
長いと2週間くらいかかります。
しかも年末年始はお休みなので、お早めに申請をしておかないと使えない事態がおきます。
現場では「なんで音事協に申請してないんだよ!」って怒られるのがAD1年生の風物詩だったりします。
懐かしのドラマ特集は地獄
現場レベルだと、こういう番組はやりたくありません。
そりゃロケがないから楽ですけど、過去の映像見るのも大変ですし、音事協の申請の山になるのでとんでもない事務仕事になります。
ドラマ借りる場合は、他局だったらテレビ局にお願いしながら音事協の申請をして、シナリオ協会に連絡して監督がぁとか、もう許可とるだけで地獄です。
タレント事務所
単純にタレント事務所がNGを出す事があります。
概ねOKしてくれるのですが、あの時の発言はNGとか、イメージ変えたのでそのキャラは封印していますとかです。
もちろん、大手ほどNG率があがります。
連絡がつかない
意外とこのケースあるんです。
タレントさんってずっとタレントさんじゃないんです。
やめてしまう方も多いです。
そうなるともう絶望です。
また事務所移って移ってとされて消息不明だったり個人事務所で連絡つかないとかもあります。
単純に放送までに回答がいただけないとかもあります。
マネージャーさんって電話でない人は本当に出ない。
訃報だけは別のお話
不幸にもお亡くなりになったケースは音事協がパンクします。
その日に一斉に報じるというニーズに対応できないので音事協も目をつぶったりタレント事務所もどうぞ偲んでやってくださいとなります。
そして、徹子の部屋のアーカイブの扉が開きます。
許諾大事、でも本当に大変
何が大変って見切れている人も全部許諾をいただくんですよ。
何もしゃべてないのに写っている人にもお願いをしています。
10年も20年も経つと「あれ?この人誰?名前もわからない・・・どうしよう」という事態も起きます。
なるべくモザイクは入れたくない、でもどうしても入ってしまう。
そんな裏話でした。