テレビの裏側 なぜスポーツ映像が途中で写真になるの?

テレビの裏側 なぜスポーツ映像が途中で写真になるの?

普通にテレビを見ていると気づきませんが言われてみれば確かに不思議なことが実はたくさんあります。番組制作の裏側を知ればもっとテレビが楽しくなる。そんなお話をしていきます。
今回はスポーツでの写真の話。オリンピックとかワールドカップとか見ていると動画から急に写真を使っていたりしませんか?あれって実は深〜い理由があるんです。

なぜ動画が途中で写真になるのか

TV

まもなく東京オリンピックですが民放とNHKがかつてない規模で放送をすると思われます。

でも、きっとニュース番組では競技映像と写真が入り混じった放送になっているはずです。
これまでのオリンピックってそんな感じだったはずです。
これって不思議じゃないですか?

実はこれ権利関係の問題なんです。

実は3分しか放送しちゃいけない!

2020

ちょっと事前のうんちくですが、オリンピックの放映権料というのは何千億円というマネーが飛び交う世界です。
NHKはお金があるのでドンと払っちゃいますが、民放はそんなにお金がないので日本テレビとかTBSが1社で購入するのでなく民放として放映権料を買っています。

なのでNHKと民放はそのあと抽選でサッカーとか野球とか放送するものを決めるのですがお金を多く出しているNHKは必然的に人気競技を放送する権利を獲得できます。

とまぁ何を放送するかっていうのは厳密に決められているわけです。

でもニュース番組(スポーツニュース含む)って自社の放映権がある競技だけを報じるわけにはいかないですよね。
いろんな競技の結果をお伝えしたい。
それは各局同じです。
ということで、ニュースで競技の映像使っていいよっていう尺(VTR時間)があります。

大会によってけっこう違ったりしますが、概ね1番組で1競技3分が目安です。
でもでもですよ。
100m走とか10秒で決着がつく競技ならいざ知らず、サッカーとか90分もあるものを3分って意外としんどい尺です。ゴールシーンなんて何度も見たいですよね。
でも取り決めの3分をこえちゃいけない。

そこで致し方なく写真を使っているんです。
写真なら競技映像には含まれないので代用しているというわけです。

なので写真をみたら、あ〜3分超えないようにしてるんだなとか思っちゃってください。

例外もある

もちろん、例外もあります。
放映権を持っている競技とダイジェスト番組です。

オリンピック期間中って前半のハイライトとかを見ませんでした?
あれがダイジェスト番組で、それの時は尺制限がなくなります。
思う存分どんな競技でも使い放題です。
これはオリンピックを純粋に楽しんでもらうための計らいですね。

逆にニュースで尺制限されているのは、やりようによってダイジェスト番組を作れてしまうからです。
みんなの権利をみんなで守るために尺制限ってされているんですね。

オリンピックだけじゃない

worldcup

この仕組みはオリンピックだけではございません。
ワールドカップもそうです。
結構写真が使われていませんでした?
本当は映像持っているんですよ。
使っちゃいけないだけなんです。

その他のスポーツ

他にも細かくあったりします。
ボクシングなんかだと民放で買うってわけでなく日本テレビやフジテレビなどが1社で買うことができる価格です。フィギュアスケートなんかもそうですね、テレ朝とフジテレビが各々買ってますね。

そういうのの場合、放映権がある社は長く尺が使えて、持っていない社は3分以内にしていたりします。そういうのを知っておくと、ニュース見るときも中継していた局のニュースは尺制限ないのでニュースも分かりやすかったりします。

これまた細かい話ですが、民放とNHKの場合、お互いスポーツ映像を提供し合う取り決めがあったりするので、スポーツニュースではフジテレビが放送して「提供:日本テレビ」とかクレジットを出したりしないのですが「wowow」が放映権を持っている場合はクレジットをだしたりしています。
テニスとかwowowが強いですね。

まとめ

いかがだったでしょうか。
言われてみればという話だとは思いますがテレビっていろんな制約の中で制作されていいるので、それを知れば今までとちょっと違った見方ができてまたテレビが楽しい。
そんな風になればいいなというお話でした。

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