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「デカフェなら、カフェインはゼロ」。そう思って夜にコーヒーを淹れている人は多いかもしれません。はてなブックマークでもこの週末、カフェインレスコーヒーをめぐる「デカフェ論争」が話題になりました。ただ、論争の前に知っておくと見え方が変わる事実が1つあります。日本の「カフェインレス」の表示は、カフェインを0にしたという意味ではありません。
この記事は、夜や仕事の合間にもコーヒーを飲みたいけれど、カフェインの量が気になって、デカフェ(カフェインレス)のドリップバッグを買おうとしている人のためのものです。比べる軸は1つ、「パッケージに書かれた何%カットか」。同じカフェインレスでも、この数字は商品ごとに違います。
Table of contents
結論:「カフェインレス」は90%以上カットのこと。2つのうち残りが少ないのは97%カットのUCC、まず試すなら94%カットのドトール
- 日本の表示の決まり:サントリーのお客様センターのQ&Aによると、「コーヒー飲料等の表示に関する公正競争規約」に基づき、「カフェインレスコーヒー」とはカフェインを90%以上除去したものをいいます。言いかえると、最大で1割ほどは残っていてもカフェインレスと呼べます。
- 残る量を少しでも減らしたい人:UCC「お・い・し・いカフェインレス ワンドリップコーヒー」。商品ページでカフェイン97%カットと説明されています(残りは3%)。
- まず1箱試したい、1杯の値段を抑えたい人:ドトール「やさしい香りのカフェインレス」ドリップパック。商品ページでカフェインを94%カットしたコロンビア産コーヒーを100%使用と説明されています(残りは6%)。20杯で1,000円です。
価格・仕様は、Amazon.co.jpの各商品ページ(2026年10月26日確認)の記載によります。
トリビア:「カフェインレス」と書けるのは「90%以上カット」から
缶やペットボトルのコーヒーには「コーヒー」「コーヒー飲料」といった名称が書かれています。サントリーのQ&Aでは、これが「コーヒー飲料等の表示に関する公正競争規約」に基づく分類であること、そして「カフェインレスコーヒー」とは、カフェインを90%以上除去したものをいうことが説明されています。カフェインレスのコーヒーだけで作ったものは、「コーヒー(カフェインレス)」のように名称のあとに括弧で表示する、とも書かれています。
つまり、「カフェインレス」は「カフェインが少ない」という意味の言葉で、「まったく入っていない」という意味ではありません。
では、元のコーヒーにはどれくらい入っているのか。食品安全委員会のファクトシート「食品中のカフェイン」(2011年作成)では、コーヒー(浸出液)のカフェインは100mLあたり60mgとされています(コーヒー粉末10gに熱湯150mLで淹れた場合)。インスタントコーヒーは100mLあたり57mg、紅茶は30mgです。
同じカフェインレスでも「残り」は2倍違う
パッケージの「〇%カット」を、残っている側から見るとわかりやすくなります。
- 表示の基準ぎりぎりの90%カット → 残り10%
- ドトールの94%カット → 残り6%
- UCCの97%カット → 残り3%
94%と97%は、数字だけ見ると3ポイントの差です。ところが残りで比べると6%と3%で2倍の差になります。
参考までに、元のコーヒーが100mLあたり60mgだとして残る割合をかけると、90%カットで約6mg、94%カットで約3.6mg、97%カットで約1.8mgです。ただしこれは割合をかけただけの目安です。ファクトシートの60mgは粉10gで淹れた場合の値で、今回の2商品は1杯7gです。実際の1杯の量は、粉の量・お湯の量・淹れ方で変わり、両商品のページにも1杯あたりのカフェイン量(mg)は書かれていません。
カフェインの摂り方そのものに不安がある場合は、商品の数字だけで判断せず、医師や薬剤師に相談してください。
残りを減らしたいなら:UCC お・い・し・いカフェインレス ワンドリップコーヒー(97%カット)
UCCのカフェインレスのドリップバッグです。商品ページでは、二酸化炭素を使った抽出法でカフェインを97%カットしていると説明されています(箇条書きでは「超臨界二酸化炭素抽出法」、商品説明では「液体二酸化炭素抽出法」と書かれています)。生豆からカフェインだけを取り除き、コーヒー本来の味や香りを逃さない製法、というのがメーカーの説明です。
- カフェイン:97%カット(商品ページの記載)
- 豆:ブラジル産アラビカ豆100%
- 内容量:350g(7g×50杯分)
- 価格:3,426円(1個あたり69円)、在庫あり(2026年10月26日確認)
商品ページでは、就寝前のリラックスタイムにコーヒーを楽しみたい人や、鑑賞・観劇や会議、長時間のドライブなどの場面が挙げられています。50杯入りなので、毎晩1杯を習慣にしたい人向けの量です。1杯あたりはドトールより高くなりますが、2つのうち「残り」が小さいのはこちらです。
まず試すなら:ドトール やさしい香りのカフェインレス(94%カット)
ドトールコーヒーのカフェインレスのドリップパックです。商品ページでは、カフェインを94%カットしたコロンビア産コーヒーを100%使用し、カフェインが気になる人でもおいしく飲める、やさしい味わいと説明されています。
- カフェイン:94%カット(商品ページの記載)
- 豆:コロンビア産100%
- 内容量:140g(7g×20袋)
- 価格:1,000円(1袋あたり50円)、在庫あり(2026年10月26日確認)
20杯で1,000円なので、「デカフェって実際どうなんだろう」と1箱だけ試したい人に向きます。1杯あたりの値段はUCCより19円安くなります。カットの割合は94%で、表示の基準の90%を上回っています。
選び方:迷ったら「残り」と「杯数」の2つだけ見る
ドリップバッグのカフェインレスを選ぶとき、パッケージで見るのは次の2つで十分です。
- 何%カットか:90%以上ならどれも「カフェインレス」と書けます。数字が書かれていれば、100から引いた「残り」で比べると差がはっきりします。
- 何杯入りか:習慣にするなら杯数の多い箱、試すなら少ない箱。1杯あたりの値段は、箱の価格を杯数で割ると比べられます。
| UCC お・い・し・いカフェインレス | ドトール やさしい香りのカフェインレス | |
|---|---|---|
| カフェイン | 97%カット(残り3%) | 94%カット(残り6%) |
| 豆 | ブラジル産アラビカ100% | コロンビア産100% |
| 杯数 | 50杯(7g×50) | 20杯(7g×20) |
| 価格 | 3,426円(1杯69円) | 1,000円(1杯50円) |
| 向く人 | 残りを減らしたい、毎晩飲む | まず試したい、1杯を安く |
価格はAmazon.co.jpの商品ページで2026年10月26日に確認した値で、変わることがあります。最安値を保証するものではありません。
よくある疑問
デカフェとカフェインレスは同じ意味?
商品によって呼び方はさまざまで、たとえばUCCのAmazonの商品名には「カフェインレス」と「デカフェ」の両方が入っています。日本の表示で「カフェインレス」と書けるのは、上で紹介したとおりカフェインを90%以上除去したものです。少なくとも「カフェインレス」の表示は、ゼロという意味ではありません。
カフェインはどうやって抜くの?
今回の2商品のうち、UCCは商品ページで二酸化炭素を使った抽出法と説明しています。ドトールの商品ページには、カフェインを抜く方法の記載はありませんでした。
味は普通のコーヒーと違う?
味の感じ方は人によって違うため、ここでは断定しません。UCCは「コーヒー本来の香りや味にこだわった」、ドトールは「やさしい味わい」と、それぞれのメーカーが説明しています。
まとめ
「カフェインレス」はカフェイン0ではなく、90%以上カットの意味です。同じカフェインレスでも、残る割合はUCCの3%とドトールの6%で2倍違います。残りの少なさならUCC、まず1箱試すならドトール。夜の1杯を選ぶときは、パッケージの「何%カット」を一度見てみてください。
今日の1杯を決めるなら
出典:サントリーお客様センター「缶やペットボトルのコーヒーには『コーヒー』『コーヒー飲料』などの表示がありますが、どう違うのですか?」(https://www.suntory.co.jp/customer/faq/001856.html)、食品安全委員会 ファクトシート「食品中のカフェイン」(https://www.fsc.go.jp/factsheets/index.data/factsheets_caffeine.pdf)、Amazon.co.jpの各商品ページ。話題の出どころ:はてな匿名ダイアリー(https://anond.hatelabo.jp/20261024090651)。いずれも2026年10月26日確認。
